【5月8日 AFP】オーストリア東部で父親が実の娘を自宅の地下室に24年間監禁し、性的暴行を加えて子ども7人を産ませていたとされる事件で、ヨーゼフ・フリッツル(Josef Fritzl)容疑者(73)は「怪物ではない」と訴えながらも、監禁していた娘や子どもたちを誰に知られることなく殺害していた可能性もあると語った。タブロイド紙「エスターライヒ(Oesterreich)」が7日、報じた。

 同紙によると、弁護人を通じたコメントの中で同容疑者は、「わたしは怪物ではない」としながらも、娘を救ったのは自分だと主張し、「全員を殺してしまう可能性もあった、そうすれば証拠は残らない。誰もわたしを発見できなかっただろう」と語っている。

 また、同容疑者と被害者の実娘との間に最初に生まれた娘(19)についても、命を救ったのは自分だと主張しており、多臓器不全で病院に搬送されたこの娘について、「わたしでなかったら既に死んでいただろう。わたしが病院搬送の手はずを整えた」と主張した。

 容疑者は、この娘に対しての性的暴行の報道についてはコメントを控えた。

 同容疑者は現在、ザンクトペルテン(St Poelten)で拘置されているが、監房の外に出ることを拒否している。

 検察での初めての事情聴取では、フリッツル容疑者は協力的な姿勢を示しており、容疑について話をする用意ができていると述べたという。

 同容疑者は9日に出廷する予定で、1か月の拘置延長について判断が示される。(c)AFP/Sim Sim Wissgott