【5月2日 AFP】キューバのグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地収容所に拘束されていたカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ(Al-Jazeera)」のスーダン人カメラマンが6年ぶりに釈放され、2日早朝、スーダンの首都ハルツーム(Khartoum)に帰国した。

 釈放されたサミ・ハジ(Sami al-Haj)氏は、2001年12月にアフガニスタンとの国境付近でパキスタン軍に逮捕され米国に身柄を引き渡されたあと、容疑事実も明確にされないまま2002年6月から6年間、グアンタナモの収容所に拘束されていた。

 同様にグアンタナモに拘束されていたスーダン人2人とともに2日、米空軍機でハルツームの警備施設内に降り立ったハジ氏は、家族の歓迎を受けたあと、健康検査のために病院に搬送された。

 ハジ氏の解放を求める活動を行ってきた国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団(Reporters Without BordersRWB)」のロベール・メナール(Robert Menard)事務局長は米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で、ハジ氏の釈放への安堵を示す一方、「米当局は、ハジ氏がテロ活動に関与した証拠もないまま不当に長期間にわたって拘束した。グアンタナモでまん延する人権侵害の一例だ」と非難する声明を発表した。

 RWBによると、ハジ氏は拘束中、拷問や200回を超える尋問を受けたという。また2007年1月にハジ氏がハンストを行った際には、強制的に栄養を摂取させたという。

 ハジ氏の釈放について、米国防総省からのコメントは得られていない。(c)AFP