【4月16日 AFP】ロンドン(London)の中央刑事裁判所で15日、「セックススキャンダル」で英王族を恐喝しようとした男2人の公判が開始された。

 Ian Strachan(30)とSean McGuigan(40)の両被告は、携帯電話で撮影された、英国のある王族が「ホモセクシャル行為」を行っている映像を公表するとして、5万ポンド(約1000万円)を脅し取ろうとしたとされる。両被告は罪状を否認している。

 映像にはさらに、被害に遭った王族がビジネスで不正を行っているとの発言や、別の王族に対する「スキャンダラスで中傷的な発言」が含まれていたという。恐喝されたとされる王族の氏名は明らかにされておらず、公判では「証人A」と呼ばれている。

 検察によると、不動産開発業者だったStrachan被告とMcGuigan被告は2007年初め、被害にあった王族が雇用していた男性の音声・映像を録音・録画したファイルを作成。8時間に及ぶ音声・映像ファイルの大半で、その男性は泥酔あるいは「何らかの薬物による影響下に置かれた状態」にあったという。

 その男性は音声・映像ファイルのなかで自分の雇用者だった「証人A」がビジネスで不正を働いていると語ったほか、「証人A」がこの男性にオーラルセックスを強要したと受け取れる発言が録音された音声ファイルが3つあるという。検察は、これらの音声・映像ファイルには「証人A」だけでなく多数のほかの王族を「当惑させ、傷つけることになる」内容も含まれているという。

 両被告は当初、この音声・映像ファイルを新聞などに「大金」で売り払うつもりだったが失敗。その後、王族への恐喝に切り替えた。しかし、この王族が警察に通報し、おとり捜査の結果、前年9月11日にロンドン中心部の高級ホテルで逮捕されたという。(c)AFP