【3月25日 AFP】米カリフォルニア(California)州カリフォルニア州サンタアナ(Santa Ana)の連邦地裁は24日、米海軍の技術情報を中国へ持ち出そうとした罪で有罪が確定していた中国系米国人技師に禁固24年を言い渡した。
 
 米海軍と契約する米国企業に勤務していたチー・マック(Chi Mak)被告(65)は、親族4人と共謀して潜水艦の静穏化に関する情報を中国へ持ち出そうとしたとして、中国の諜報機関のために情報の国外持ち出しを共謀した罪と米連邦機関への偽証罪の2つの訴因についてサンタアナの連邦地裁で前年5月に有罪と判断されていた。

 禁固24年という厳しい判決について、カリフォルニア地裁判事は「中国諜報機関へのメッセージだ」と語った。このほか、同被告には5万ドル(約500万円)の罰金が科せられた。同被告は容疑を否定している。

 マック被告が持ち出そうとした情報が公式には機密情報に指定されていなかったためスパイ罪は適用されなかった。しかし公判では「レッド・フラワー」「オータム・オーキッド」といった中国諜報機関が使用した冷戦時代さながらの暗号の数々が明らかにされた。

 2005年10月、ロサンゼルス国際空港で香港行きの便に搭乗しようとしていたマック被告の親族2人が身柄を拘束され、その後マック被告も逮捕された。検察当局によると、拘束された2人は米海軍潜水艦に関する情報を暗号化し、英会話教材CDに紛れ込ませて隠し持っていた。

 マック被告は、中国・広州(Guangzhou)生まれだが米市民権を取得している。

 マイク・マコネル(Michael McConnell)米国家情報長官は最近、中国とロシアは、米国の軍事情報を巡り冷戦時代と同水準の諜報活動を行っているとの危機感を示している。(c)AFP/Rob Woollard