【3月21日 AFP】(一部修正)ロシア連邦保安局(FSB)は、拘束していた英企業関係者2人を産業スパイ行為で刑事訴追する方針を明らかにした。ロシアの複数の通信社が20日、伝えた。FSBは前日、モスクワ(Moscow)にある英石油大手BPの施設などを捜索していた。

 FSBは声明を発表し、この2人の男性について、「競合するロシア企業に対し優位に立つことを目的に、多数の海外の石油・天然ガス企業のために産業機密情報を違法に収集していた」としている。

 拘束されているのは、英露の石油合弁企業「TNK-BP」のイリヤ・ザスラフスキ(Ilya Zaslavsky)氏と、モスクワにある英国の国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル(British Council)」傘下の「British Alumni Club」のアレクサンドル・ザスラフスキ(Alexander Zaslavsky)氏。2人は兄弟で、ロシアと米国の国籍を保有しているという。

 2人は、ロシアの石油・天然ガス企業の非公開施設に勤務するロシア人社員から機密文書を入手しようとしたとして、今月12日に拘束された。その後、FSBは18日、産業スパイの容疑で立件し、翌日にBPとTNK-BPの施設の捜索を行った。

 FSBは、捜索の結果、公的機密文書などの産業スパイ行為が行われたことを示す物証に加え、「米中央情報局(CIA)や外国の軍情報機関の職員の名刺」が発見されたことを明らかにした。(c)AFP