【3月18日 AFP】ロンドン(London)の英高等法院で開かれているダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)の死因を究明する審問で17日、元妃の執事だったポール・バレル(Paul Burrell)氏のボディーガードが証言し、バレル氏が元妃の死の直後、遺体から指輪を抜き取ったとの疑惑が浮上した。

 証言を行ったのは、2003年までバレル氏の警備を担当していたマイケル・フォー(Michael Faux)氏。フォー氏は、バレル氏から「パリで元妃の遺体から指輪を手に入れた」と聞かされたことから、その指輪がダイアナ元妃のものだと信じるようになったと述べた。それがダイアナ元妃の指輪だとバレル氏は証明することができるのかと問われたフォー氏は、「指輪にはまだ血がついていたので、DNA鑑定すれば元妃のものと証明できただろう」と証言した。

 これに対し、バレル氏は同法院に提出した声明文で、問題となっている指輪について「それを婚約指輪だと言ったことはないし、指輪を持ってもいなかったし、『指輪を持っている』と言ったことさえもない」と反論した。

 英大衆紙「サン(The Sun)」は前月、バレル氏が検死審問で偽証したと告白するビデオ映像を入手したと報じたことから、同氏は検死審問で偽証した疑いが持たれ、高等法院での再証言が求められているが、現在、米国に在住する同氏は英国への帰国を拒否している。

 一方、1997年にパリで起きた自動車事故でダイアナ元妃とともに死亡した恋人のドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏の父親、モハメド・アルファイド(Mohamed Al-Fayed)氏も、事故直前にドディ氏が元妃に婚約指輪を贈ったと主張しているが、元妃の友人はこれを否定している。

 5か月に及んだ死因究明審問は、18日に最後の証人が証言を行う。その後、最終弁論が行われ、来月にも陪審団による評決が行われる運び。(c)AFP