【3月6日 AFP】ドラッグを不法所持したセレブを相応に罰しないと、「多感な」若者たちに間違ったメッセージを送ることになる。国連(UN)の国際麻薬統制委員会(International Narcotics Control BoardINCB)は5日、このような報告書を発表した。

 INCBは、歌手エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)、ミュージシャンのピート・ドハーティ(Pete Doherty)、スーパーモデルのケイト・モス(Kate Moss)といった英国人セレブらの麻薬所持が次々に明るみになったことを受け、そうした事件がファンに与える影響を初めて調査した。

 その結果、具体的な名前は挙げなかったが、警察や裁判所が有名人を大目に見ることは刑事司法制度の根幹を揺るがしかねないとの結論を出した。

 INCBは、「麻薬を使用した有名人を特別扱いした場合、有名人を崇拝する傾向がある若者たちに誤ったメッセージを送るだけでなく、麻薬所持犯への対応に関して不信感が広がる」として、各国政府に対し有名人の麻薬所持を見過ごさないよう求めている。 

 英国は、EU域内ではイタリア、スペインに並ぶコカイン使用大国だ。英内務省によると、イングランドとウェールズにおける15-64歳の2006年のコカイン使用率は前年比0.4%増の2.4%だった。(c)AFP