【3月2日 AFP】元養護施設から子どもの頭がい骨などが発見され、長期にわたる組織的児童虐待疑惑が浮上したフランス北西沖の英王室属領チャネル諸島(Channel Islands)のジャージー(Jersey)島では1日も捜索が続けられた。島内では観光地としてのイメージ悪化を懸念する声も上がり始めた。
 
 警察の依頼を受け、4年前からユースホステルとして利用されていた元養護施設「Haut de la Garenne」を調査していた法医学者らは2月23日、ビクトリア朝の同建造物から頭がい骨を発見した。

 れんがでふさがれた隠し部屋がほかにもあるのではないか、拷問や虐待の被害者はもっといるのではないか、これまで知られている以上の残虐な行為が発覚するのではないか、という不安が高まる中、英本土から報道陣が押し寄せ報道は加熱している。

 また、同島の元厚生相が、当局は虐待の訴えを黙殺してきたと主張し、警察が隠ぺいの証拠は発見されていないと発表するという出来事も起きている。

 周囲を砂浜に囲まれ、かつて農業と観光の島だったジャージー島は、近年は国際的なオフショア金融センターとして栄えている。

 観光局広報主任のマイク・タイト(Mike Tait)氏は、「衝撃の事件は、(ジャージー島の)人々に大きな悲しみをもたらしたが、今のところ経済的な影響は出ていない」と話す。

 しかし、Saint Helierの停留所で働くヘザー・ブラウン(Heather Brown)さん(23)は、事件は、とりわけ子どもがいる家族に、間違いなく強い影響力を持つだろうと言う。

 ブラウンさんは「私が家族連れの外国人旅行者ならジャージー島を避けてイビザ(Ibiza)島などに行く」と述べ、その代わりに犯罪現場に猟奇的な関心を持つ人々が来るようになるかもしれない、と肩をすくめた。(c)AFP