【2月28日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)派元幹部で元ツールスレン(Tuol Sleng)尋問センター所長のカン・ケ・イウ(Kang Kek leu、通称ドッチ、Duch)被告が27日、約30年ぶりに虐殺現場の同センターを訪れ、「盲目的に命令に従った」として犠牲者に謝罪した。

 今回の訪問は、ポル・ポト政権時代に起きた大量虐殺の罪を裁く特別法廷が捜査活動の一環として非公式に行ったもの。同行者の説明によると、ドッチ被告は当時の尋問の様子を再現した後、「最後にドッチ被告はセンターの門のところに立ち、手を打って祈りを捧げた。そして盲目的に上司の虐殺命令に従ったとして、犠牲者に対し自らの行為を謝罪した」。

 ツールスレン尋問センターには推定で1万6000人の男女や子どもが目隠しをされ、縛られた状態で収容された。虐殺を生き延びたのはほんの十数人だけだったと言われている。同センターの建物は現在、記念館となっている。(c)AFP/Suy Se