【2月19日 AFP】英ロンドン(London)の高等法院で開かれているダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)の死因究明審問で18日、ダイアナ元妃の交際相手だったドディ・アルファイド(Dodi Al-Fayed)氏の父モハメド・アルファイド(Mohamed Al-Fayed)氏が審問開始以来初めて証言を行い、同妃が「英王室関係者は自身の『排除』を望んでいる」との懸念を示していたことを明らかにした。

 この英王室関係者には、同妃の元夫のチャールズ皇太子(Prince Charles)やエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫であるフィリップ殿下(Prince Philip)も含まれており、アルファイド氏は証言中、同殿下を「ナチ」や「人種差別主義者」と表現した。

 アルファイド氏は、この証言で何も申し立てをするつもりはなく、(同妃とドディ氏の)2人が殺されたとする自身の考えを述べるだけだとした上で、「同妃は、チャールズ皇太子とフィリップ殿下が自分を排除しようとしていることを知っていると語った」ことを明らかにした。

 今回の証言で、アルファイド氏は、ダイアナ妃が当時妊娠しており、2人は婚約発表直前だったとあらためて主張した。その証拠の提示を求められたアルファイド氏は、「証拠を出してもらいたいのだろうが、わたしは情報機関の鉄の壁に阻まれている。ここ英国で、わたしは10年間も戦ってきた」と語った。

 また、事故当時の運転手アンリ・ポール(Henri Paul)氏が飲酒運転をしていたと結論付けた血液検査は改ざんされたとする主張や、パパラッチが白いフィアット(Fiat)をぶつけることで事故を誘発したとするこれまでの主張を繰り返した。

 アルファイド氏は、ダイアナ元妃が死の直前にドディ氏と過ごした南仏での休暇前やその最中も、アルファイド氏に対し生命の危険を訴えていたことも明らかにした。

 証言の直前、アルファイド氏は、「わたしは10年間戦ってきた。わたしが息子とダイアナ元妃に起きたと考えていることを率直に語る時がきた」と述べるとともに、「神の力をかりて、真実が明らかになることを望んでいる」と語った。(c)AFP/Michael Thurston