【2月3日 AFP】韓国の検察当局が3日、徴兵制による兵役を逃れるため意図的に負傷したとして同国のサッカー選手92人を起訴したことが明らかになった。起訴された選手たちの氏名は明らかにされていないが、韓国プロサッカーリーグ(Kリーグ)の現役選手および元選手15人も含まれているという。

 そのほかの選手はマイナーリーグやアマチュアリーグに所属しているとされる。選手たちは2006年から2007年にかけてダンベル練習中に肩を脱臼させて整形外科手術を受け、兵役免除を正当化したとされる。選手たちの手術を行った医師も起訴されたが、罪を否定している。

 報道した聯合(Yonhap)ニュースによると、身体的に軍務に不的確とされた選手たちのうち、6人は完全に兵役を逃れ、残りの86人は代わりに国家機関での地域サービス従事を命じられたという。サッカー選手たちの中には肩の骨を脱臼させるにあたり、筋肉に裂傷を与えてしまった者もいた。

 韓国では身体的に健康な男性には全員、少なくとも2年間の兵役が義務づけられている。身体検査で軍務に不適格と判断された者は兵役を免除されるか、地域サービスへの従事または政府が指定する企業での勤務を課される。

 しかし、この制度上の仕組みから、スポーツ選手や芸能人、富裕層・権力層の子弟などの一部で徴兵忌避がまん延している。徴兵忌避者は通常、より精密な再身体検査を受けて入隊させられるか、罰金や禁固刑などの刑罰を科せられる。

 駐留米軍2万8000人の支援を受ける韓国軍は兵力68万人。一方、北朝鮮軍は兵力110万人とされる。(c)AFP