【1月8日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)で5日、野党の女性議員が自宅前で待ち伏せしていた2人組の男に暴行を受け負傷する事件があった。事件の背後に警察の関与を疑う声もある。

 野党「もうひとつのロシア(Other Russia)」連合のAlexandr Averin議員が7日、ラジオ放送「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」に語ったところによると、同党のMaria Koleda議員が外出しようとした際、自宅前で待ち伏せしていた2人組の男に殴打された。男らは暴行を加える前にKoleda議員に名前を尋ね、本人であることを確認したという。

 Averin氏は、与党圧勝の総選挙を不正とする前月24日の抗議活動にKoleda議員が参加したことへの「報復」ではないかとみている。

 前月2日に実施された選挙では、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領率いる統一ロシア(United Russia)党が450議席中、315議席を獲得し圧勝した。

 Averin氏は「2人組の身元は不明だが、警察の組織犯罪対策班が関与しているのではないか」と疑っている。

 また、ロシア正教のクリスマス休暇が終わるのを待って、Koleda議員が告訴する考えであることを明らかにした。
 
 非合法の極左政党「ナショナル・ボリシェビキ(National Bolshevik Party)」の報道官でもあるAverin議員は、仲間の活動家Yuri Chervochkin氏が11月に撲殺された事件についても、警察の組織犯罪対策班が関与しているとして抗議している。(c)AFP