【1月7日 AFP】(1月8日 一部更新)オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)で開かれているシエラレオネ国際戦犯法廷(SCSL)は7日、人道に対する罪など11の罪状で起訴されているチャールズ・テーラー(Charles Taylor)リベリア元大統領(59)の公判を予定通り、6か月ぶりに再開した。

 テーラー被告の公判は、新たな弁護団を用意するためとして昨年8月に半年延期されていた。

 同被告は1991年から2002年のシエラレオネ内戦中に、同国民10万人以上を殺害し、虐待、性的暴行などを行った反政府勢力「革命統一戦線(Revolutionary United FrontRUF)」に対し、武器供与、訓練、指揮などの支援をしたとされ、見返りに戦闘資金の供給源だったダイヤモンドを受け取ったとされる。同内戦でRUFは違法ダイヤモンド取引により活動資金を得ていた。同被告はアフリカ元首としては初めて国際刑事裁判所で裁かれる。

■「紛争ダイヤモンド」の専門家が証言

 7日の公判では、検察側の1番目の証人として「紛争ダイヤモンド」(アフリカで紛争の資金源とするため違法に取引されているダイヤモンド)の専門家が証言する。

 証人として出廷するのはカナダ人研究者イアン・スマイリー(Ian Smillie)氏で、「ダイヤモンドや木材など隣国シエラレオネの豊富な資源資源を支配下に置こうと、テイラー被告が自分の意のままになる政府を同国に実現させる計画を温めていた」とする検察側の主張を証明する。 

 スマイリー氏は同法廷のために『Diamonds: The RUF and the Liberian connection(ダイヤモンド:革命統一戦線RUFとリベリアのコネクション)』と題する報告書を作成した人物。今回の証言の冒頭では同氏が製作に携わった2006年のドキュメンタリー『Blood Diamonds(血のダイヤモンド)』が上映された。

 テーラー被告は全面無罪を主張している。(c)AFP/Stephanie van den Berg