【1月5日 AFP】フランス東部メッス(Metz)の水タバコ・バーの経営者が、禁煙法施行で経営が破綻したとして国を相手取り6万ユーロ(約960万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。原告側弁護士が3日明らかにした。

 水タバコ・バー「スファンクス(Sphinx)」は3年前にオープンしたが、公共の場での喫煙を禁止する禁煙法でカフェ、レストラン、ナイトクラブなどが全面禁煙となったことから、法施行と同じ1日に閉店した。

 原告側弁護士は、「店は喫煙を目的としたもので、公共の健康の名の下に制定された法のため閉店に追い込まれた」と述べ、公共の利益を優先した政策によって発生した損害に補償金の支払いを認めた仏法律に基づいて訴訟に踏み切ったと説明した。

 スファンクスは水タバコと紅茶を提供し、タバコの売上が主な収入源となっていた。アルコール飲料は販売していなかった。エジプト系の経営者は元建設作業員で、スファンクスの開店と経営に全財産を投じたという。

 水タバコ・バーは仏国内に約800店あるが、原告側弁護士は禁煙法が議会で可決された2006年以前に開店した水タバコ・バー全店に補償金が認められる可能性があるとしている。

 当局は2か月以内に訴えに応じるか否かの判断をする。(c)AFP