【12月11日 AFP】インド北部で偽の役所の出張所が見つかった。この出張所は税金の徴収や市民サービスのほか、なんと出生証明書や死亡証明書まで発行していたという。10日のタイムズ・オブ・インディア(Times of India)紙が伝えた。

 偽の役所はウッタルプラデシ(Uttar Pradesh)州ジャンシ(Jhansi)の郊外に設けられ、道路清掃員ら20人が雇われていた。

 当局によると、この出張所は、役所の職員が清掃作業員の報酬をだまし取るために始めたとみられている。その後、この職員が手を広げ、清掃員のチームを雇う組織立った出張所を開設した。

 同紙は警察当局者の話として、「首謀者はその後、事業が赤字にならないとみると、偽の出張所を続けることを決心したようだ」と報じた。この出張所がいつから営業していたかは明らかになっていない。

■従業員の不満で発覚

 事件は、従業員数人が給与への不満を本当の役所の上司に訴えたことで発覚した。役所の担当者は「われわれの部署に支所があるとは知らなかったため、この話を聞いたときは驚いた」と同紙に語った。

 偽の出張所で道路清掃員として雇われていた男性は、仕事を得るときに出張所が偽物であるとは知るよしもなかったという。

 事件の首謀者は、警察の捜査が入ったときには事務所にいなかったという。(c)AFP