【12月4日 AFP】5年前にカヌーに乗っていて行方不明になり死亡したと思われていた英国人男性が週末、突然ロンドン(London)の警察署に現れた。非常に元気で健康状態も良好だという。警察当局が3日、明らかにした。

 当時51歳で刑務所の看守をしていたジョン・ダーウィン(John Darwin)さんは2002年3月、カヌーに乗っていて行方不明になった。ジョンさんのカヌーはイングランド北東部Seaton Carewの砂浜に打ち上げられた。

 大規模な捜索が行われたが、成果は上がらなかった。妻のアン(Anne)さんは夫が行方不明になった6か月後、遺体が見つからなければ気持ちの区切りがつかないと語っていた。メディアの報道によると、その後、外国に移り住んだという。

 ところが1日、ジョンさんは突然ロンドン中心部の警察署に姿を見せた。家族には報告されたが、ジョンさんがどこにいたのかは分かっていない。なお、ジョンさんの所持金はゼロだった。

 英夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)が警察当局者の話として伝えたところによると、「男性は何が起こったかも、なぜ警察署に出向いたかも覚えていない」という。

「男性には全く記憶がない。過去5年間は明らかにどこかにいたはずで、質問すべきことがたくさんある」「男性は警察署に入ってきて『自分は行方不明者だと思う』と話した」(警察関係者)

 ジョンさんの兄弟は英タブロイド紙デイリー・メール(Daily Mail)に対し、「ジョンが生きていて家族はみな本当にほっとしている。最高のクリスマスプレゼントだ」と喜びを語った。

 90歳になる父親はイブニング・スタンダード紙に、「警察にはずっとこのようなことがあるのではないかと話していた。カヌーだけが発見され、息子が見つからないのはおかしいと思っていた」と語った。(c)AFP