【12月2日 AFP】スーダンで前週、児童がテディベアに「ムハンマド」と命名するのを許可したとして英国人教師ギリアン・ギボンズ(Gillian Gibbons)さんがイスラム教に対する侮辱罪で禁固15日を言い渡された事件で2日、オマル・バシル(Omar al-Beshir)大統領に恩赦を求めてスーダン入りした英国のイスラム教徒の上院議員2人が大統領への面会を求めた。

 議員2人は1日にスーダンの首都ハルツーム(Khartoum )に到着、ギボンズさんに面会した。慎重な外交交渉が続く一方、ギボンズさんは、待遇はよく、店を出せるほどたくさんの果物をもらっていると冗談も盛り込んだ声明を発表した。

 同地では11月30日の金曜礼拝後、当局の処置が「寛大すぎる」として数千人が抗議活動を行った。中には死刑を求める声もあった。

 イスラム教徒の上院議員は、イスラム教のスーダン政権にとって旧宗主国の英国のなかでも交渉相手として受け入れやすいとみられ、今回の訪問で、ギボンズさんの弁護士は「ギボンズさんの刑期が終わる前に釈放される可能性がある。大統領はすべての囚人に対して恩赦の権利を有しており、それを実施する可能性は否定していない」と述べ、大統領の恩赦への期待を示した。

 前年にデンマークで預言者ムハンマドの戯画が出版されたときと同様、デモが暴力事件に発展したため、ギボンズさんの審理は厳重な警戒下で行われた。(c)AFP/Charles Onians