【11月28日 AFP】東京地検特捜部は28日、防衛装備品納入をめぐる収賄の疑いで守屋武昌(Takemasa Moriya)前防衛事務次官と妻を逮捕した。収賄疑惑には額賀福志郎(Fukushiro Nukaga)財務相の関与も問われている。

 特捜部の声明によると、守屋前次官は数時間の取り調べの後に逮捕された。特捜部は都内にある守屋容疑者の自宅を家宅捜索し、同容疑者の妻も共犯の疑いで逮捕した。

 守屋容疑者は、今年1月に逮捕された防衛専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸(Motonobu Miyazaki)容疑者から高価な食事や贈答品、数百回のゴルフ旅行などの接待を受けていたことを認めた。

 守屋容疑者は防衛省で強い影響力を持ち、今年8月に退任するまで「防衛省の天皇」の異名を得ていたが、接待の見返りを山田洋行に提供したことは一切ないと便宜を図った疑いについては否定している。

 共同通信(Kyodo News)によると、特捜部では守屋容疑者が山田洋行など2社に装備品納入で便宜供与したとみており、うち1社には、米ゼネラル・エレクトリック(General ElectricGE)製の航空機エンジン発注をめぐり便宜を図った疑いがもたれている。

 守屋容疑者は、久間章生(Fumio Kyuma)元防衛相と、元防衛相の額賀財務相の2人も、宮崎容疑者との宴席に同席したことがあると述べている。

 額賀財務相は不正への関与は否定しているが、宮崎容疑者とのゴルフについては認めている。

 参議院は来週、額賀氏に対する証人喚問を行うことを議決したが、福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は、インド洋での給油活動を始めとするアフガニスタンの米主導の多国籍軍に対する自衛隊の支援活動再開に審議の重点を置くよう野党陣営に期待している。(c)AFP