【11月27日 AFP】(28日 一部更新)パリ(Paris)郊外で起きた2夜連続の暴動で警官70人以上が負傷し、フランス警察は27日、取り締まりを強化した。

 暴動はパリから約20キロ北部のビリエルベル(Villiers-le-Bel)で25日、少年2人が乗ったバイクがパトカーと衝突し、少年が死亡したことをきっかけに発生し、またたく間に近隣の街に広がった。

 警察関係者によると、26日夜にはビリエルベルと近隣の2つの街で、怒った若者の集団と警察の新たな衝突が起き、警官70人以上が負傷した。うち5人は重体で、1人は大口径銃で肩を撃たれたが、命に別状はないという。

 ビリエルベルでは約100人の若者がごみ箱の陰から警官隊に物を投げ、警官約160人がゴム弾と催涙弾で応戦した。別の街では若者が火炎瓶を投げ、車両63台と建物5棟が放火された。

 2夜連続の暴動を受け、27日朝にはビリエルベル上空をヘリコプターが旋回し、騒乱を起こしている人物の捜索に当たった。

 中国訪問中のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は25日の暴動発生を受け、「双方とも冷静になり、責任追及は法の裁きに任せてほしい」と沈静化を呼び掛けた。フランスでは2005年、警官に追いかけられた若者2人の死をきっかけに全国的な暴動が起きており、同じような事態の再発が懸念されている。(c)AFP/Stephane Jourdain