【11月27日 AFP】(一部訂正)「ロンドン地下鉄(London Underground)の声」として知られる声優エマ・クラーク(Emma Clarke)さん(36)が、同地下鉄を批判したほか、米国人観光客を中傷するなどのいたずら発言をしたため、契約を解除されていたことが分かった。同地下鉄関係者が26日、明らかにした。

 クラークさんは8年前から、「電車とホームの間があいておりますのでご注意ください」、「閉まるドアにご注意ください」などと乗客に呼び掛ける「アナウンスの声」を担当し、ロンドンでは有名だった。ただ、軽い気持ちで自身のウェブサイト上に他人をからかうような言葉を何度も掲載し、上司を困らせていた。

 サイト上には、「米国人観光客の皆様、大声で騒がないようお気をつけください」「新聞を読んでいるふりをして、実際は女性の胸を見ているお客様、そうした行為は慎みましょう。ただの変質者です」などの発言が掲載されていたという。

 北ロンドンのハイゲイト(Highgate)に住むクラークさんは、以前は地下鉄を利用していたが、現在は地下鉄が「ひどい」状態なので利用していないという。

 ロンドン地下鉄の広報官は、いたずら発言が問題というより同地下鉄への批判が契約解除の理由だとした上で、「いたずら発言の中には面白いものもある。ただ、乗客を中傷するような発言は配慮を欠いていた」と話した。

 同広報官は地元の夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)に対し、「ロンドン地下鉄は、クラークさんとの契約打ち切りを非常に残念に思っている」とも話した。

 一方クラークさんは同紙に「自分が人を中傷していたとは思ってもいなかった。ただの冗談のつもりだった」と話し、契約解除の決定に驚きを隠せなかった。(c)AFP