【11月24日 AFP】ロンドン(London)で毒殺されたロシア連邦保安局(FSB)の元情報局員、アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏の1周忌を迎えた23日、妻マリナ・リトビネンコ(Marina Litvinenko)さんは、ロシア政府の関与が疑われている同氏毒殺事件の真相解明を誓った。

 マリナさんはこの日、家族や友人と共に同氏を追悼し、さらに欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)でロシア政府に対する正式な訴えを起こした。

 その後記者会見に臨んだマリナさんは、目に涙を浮かべ「支援が必要だ。特に当局の支援をさらに必要としている。いつの日かわたしたちが事件の犯人を知ることになると、わたしは約束する。事件の真相が分からなければ、わたしたちは安心して暮らせない」と述べた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領を公に批判していたリトビネンコ氏は、ロンドン中心部メイフェア(Mayfair)地区にあるホテルで飲食中に、放射性物質「ポロニウム210」をもられ、3週間後にロンドンの病院で死亡した。

 英当局は5月、リトビネンコ氏が体調を崩した日にホテルで面会していた、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元将校でロシア人実業家のアンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏を殺人罪で起訴するため、ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア政府に要求していた。

 一方、ロシア側はこれを拒否、互いに外交官を国外追放するなど報復合戦を行い、両国関係は一気に悪化。

 これに先立ち、マリナさんとリトビネンコ氏の父親Walter Litvinenkoさん、同氏の友人アレックス・ゴールドファーブ(Alex Goldfarb)氏、英国亡命中のロシア人実業家ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏は、ロンドンのUniversity College Hospital前に集結し、リトビネンコ氏が死に際に書いたとされる手紙を再度読み上げた。手紙には自身の死についてロシア政府の関与が指摘されている。(c)AFP/Katherine Haddon