マリキ首相、「ケミカル・アリ」の死刑執行を決断
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【11月12日 AFP】イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は11日、旧フセイン政権時代のクルド人虐殺事件「アンファル(Anfal)作戦」における人道に対する罪により、すでに死刑判決が下されている「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」ことアリ・ハッサン・マジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相ほか2人に対する死刑執行を決断したことを明らかにした。
マリキ首相は記者会見で「法を執行し、3被告を司法制度に委ねることを決断した」と述べた。
クルド人居住地に対する毒ガス攻撃を命令したとされるマジド被告、同様にクルド人虐殺に関与した元国防相のSultan Hashim al-Tai被告、軍副司令官だったHussein Rashid al-Tikriti被告の3人に対しては、6月24日の1審で死刑判決が言い渡され、9月4日に死刑が確定していた。
イラクの法律では本来、高等法廷で死刑が確定してから30日以内、10月4日までに刑が執行される予定だった。サダム・フセイン元大統領の死刑執行がイスラム教の休日と重なったことで非難を浴びたため、マリキ首相はイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」が終わる10月15日まで死刑を執行しないと明言していた。
死刑執行期限から1か月以上経過した現在も、マジド被告の身柄は米国の管理下にあり、死刑執行の数時間前までこの状態は続くとみられる。
さらに厄介なのは、大統領評議会を構成する3人のうちジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)大統領とタリク・ハシミ(Tariq Hashimi)副大統領の2人が死刑執行命令への署名を拒んでいることだ。
死刑制度に反対しているタラバニ大統領は、フセイン元大統領の場合にも死刑執行命令を拒否したが、この際には、政府の決定には反対しないと記されたマリキ首相あての書簡に署名していた。(c)AFP/Ammar Karim
マリキ首相は記者会見で「法を執行し、3被告を司法制度に委ねることを決断した」と述べた。
クルド人居住地に対する毒ガス攻撃を命令したとされるマジド被告、同様にクルド人虐殺に関与した元国防相のSultan Hashim al-Tai被告、軍副司令官だったHussein Rashid al-Tikriti被告の3人に対しては、6月24日の1審で死刑判決が言い渡され、9月4日に死刑が確定していた。
イラクの法律では本来、高等法廷で死刑が確定してから30日以内、10月4日までに刑が執行される予定だった。サダム・フセイン元大統領の死刑執行がイスラム教の休日と重なったことで非難を浴びたため、マリキ首相はイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」が終わる10月15日まで死刑を執行しないと明言していた。
死刑執行期限から1か月以上経過した現在も、マジド被告の身柄は米国の管理下にあり、死刑執行の数時間前までこの状態は続くとみられる。
さらに厄介なのは、大統領評議会を構成する3人のうちジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)大統領とタリク・ハシミ(Tariq Hashimi)副大統領の2人が死刑執行命令への署名を拒んでいることだ。
死刑制度に反対しているタラバニ大統領は、フセイン元大統領の場合にも死刑執行命令を拒否したが、この際には、政府の決定には反対しないと記されたマリキ首相あての書簡に署名していた。(c)AFP/Ammar Karim