【11月8日 AFP】18歳の少年が校内で銃を乱射し8人を射殺する事件が起きたフィンランドの小さな町トゥースラ(Tuusula)では、事件当日の7日夜、ショックが冷めやらない生徒や住民が、冷たい雨が降りしきる中なぜこんなことが起きたのか語り合う様子が見られた。

 トゥースラは首都ヘルシンキ(Helsinki)から北に約40キロの、人口約3万人の静かな町だが、事件発生後は警察車両や警官が町にあふれ、「通行禁止」のテープが張りめぐらされた。

 ヨケラ中高等学校の生徒たちは時に興奮し、何度も長い沈黙をはさみながら、事件を振り返った。生徒たちの話によると、銃を持った少年は興奮してドアや壁、生徒たちに向け、手当たり次第に発砲していたという。

 事件発生当時、校内にいたという男子生徒(14)は「銃声が聞こえたので、みんなで窓を割って外へ飛び出した。あの生徒のことは知っている。いつもニコニコしていた。なぜこんなことをやったのか分からない」と話した。

 町は地元の教会に緊急対策センターを設置、被害者の家族は殺到する報道陣を避けてこの教会に集まり、カウンセラーも配置された。報道陣の立ち入りは禁止されている。

 町内のレストランのバーは、地元住民の最新情報を交換の場になった。

 ある男性は、「少年は『地獄だ、革命だ、何とかしろ』と叫んでいた」と証言、「こんなことが起きたなんて信じられない。トゥースラは住民全員が顔見知りで、学校が1つしかないから全員が同窓生という、フィンランドでは典型的な町なのに」と語った。

 年配住民の多くからは、警察に対する憤りの声が聞かれた。警察は、少年が動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に事件の予告ビデオを投稿していたことに気づくべきだったというのだ。「米国のように監視されるべきだ」と怒りをぶつける男性もいた。(c)AFP