【10月31日 AFP】2004年3月11日に死者191人、負傷者1841人を出したスペイン・マドリード(Madrid)の列車爆破テロで、テロ共謀などの罪に問われている被告28人に31日、マドリードの裁判所から判決が下される。以下は、主要な被告のプロフィール。

■サエド・アフメド(Rabei Ousmane Sayed Ahmed)被告(1971年7月22日生まれ、エジプト国籍)

Mohammed the Egyptian」の名でも知られる同被告は、スペイン当局が発行した逮捕状に基づいて2004年7月7日、イタリアで逮捕された。2004年1月下旬に、テロ準備のためスペインに入国したとされる。罪状については強く否認している。同被告は191人に対する殺人、1841人に対する殺人未遂、テロ組織運営の罪で起訴されている。

Youssef Belhadj被告(1976年5月27日生まれ、モロッコ国籍)

Abu Doujanah the Afghan」の名でも知られる同被告は、2005年2月にベルギーで拘束され、スペイン当局に引き渡された。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の広報担当者とされており、テロ2日後にマドリードのモスクで発見されたビデオテープで犯行声明を出していた。同被告は191人に対する殺人、1841人に対する殺人未遂、テロ組織に所属した罪で起訴されている。

Hassan al Haski被告(1963年8月5日生まれ、モロッコ国籍)

Abu Hamza」の名でも知られる同被告は、「Moroccan Islamic Combatant Group」のスペインにおける指導者で、後に欧州全域を統括することになった人物。同組織は、2003年5月にモロッコのカサブランカ(Casablanca)で連続爆弾テロを起こし、45人を殺害している。2004年12月11日に、スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)で拘束された。

Jamal Zougam被告(1973年10月5日生まれ、モロッコ国籍)

 同被告は、3月13日にマドリード中心部の自身が経営する店舗で拘束された。爆弾の爆破に使用された携帯電話のSIMカードは、ほとんどがこの店で販売されていたものだった。同被告の顔写真がメディアを通じて広まり、公判では爆破された列車の1つに乗っていたとする目撃証言も行われた。一方で、テロ攻撃に関連する現場から、同被告の指紋やDNAは検出されていない。

Abdelmajid Bouchar被告(1983年1月9日生まれ、モロッコ国籍)

 同被告は2005年6月に、セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)の鉄道駅で拘束され、その後スペイン当局に引き渡された。同被告は、2005年4月3日に警察に包囲されたマドリード郊外の建物の中で、7人の重要容疑者が自爆する直前に逃亡していた。この爆発では、警察官1人も死亡している。爆弾を組み立てたとされている住宅から、同被告の指紋が検出されている。

Jose Emilio Suarez Trashorras被告(1976年12月10日生まれ、スペイン国籍)

 同被告は、列車を爆破した爆発物の調達で中心的な役割を果たしたとされ、テロが発生してから7日後に拘束された。同被告は、以前はスペイン北部アストリア(Asturias)地方で炭鉱労働者として働いていたが、警察の情報提供者や麻薬の密売人でもあった。また、精神疾患に悩まされていた。

Othman El-Gnaoui被告(1975年4月25日生まれ、モロッコ国籍)

 同被告は、スペイン北部からマドリードまでの爆発物運搬のほう助をしたとされる。当初は軽い罪だったが、後に検察が「必要不可欠な協力者」と判断、重要容疑者として取り調べられた。

Rafa Zouhier被告(1979年6月15日生まれ、モロッコ国籍)

 以前は警察の情報提供者でもあった同被告は、列車爆破を実行したマドリードのグループと爆発物を準備したスペイン北部のグループの仲介役だった。El-Gnaoui被告と同様に、当初は軽い罪だったが、公判途中で「必要不可欠な協力者」と判断された。(c)AFP