【10月16日 AFP】ロンドンで15日行われたダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)の死因究明のための審問で、ダイアナ元妃と交際相手ドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏を乗せた車両が衝突事故を起こす直前に大型車の存在が目撃されていたなどの新たな証言が得られた。

 これまで、事故があった1997年8月30日の夜、パリのアルマ橋(Pont de l’Alma)下のトンネル付近で、フィアット(Fiat)社製の白いウノ(Uno)車やこれに類似した小型車を目撃したとの証言はあった。

 しかしこの日、証言台に立ったJean-Claude Cathelineさんと妻のAnnickさんが目撃したのは、黒っぽい大型車2台で、2台の車両は併走してフルスピードでトンネル内に突入していったという。

 パリからのビデオ中継で行われた審問で夫妻は、この夜、現場付近の土手を散歩していた際に、衝突音を聞いているが、その数秒前に、タイヤのキィーっという音を聞いたと証言する。

 「黒っぽい車が視界から消えた直後、車体がはねるような音がした。これは、車がトンネルに入る前のことだったと思う」(Cathelineさん)

 夫妻の弁護士が明かした夫妻が警察に対し行った証言によると、1回目の衝突音を聞いた直後、Cathelineさんは2回目の鈍い音を聞いているが、これは1回目の音とはかなり異なる非常に大きな音だったという。

 Annickさんは、2台の車両がトンネルに入った後に聞いた衝撃音を聞いて、「2台の車が衝突したと思った」という。

 また、同様にパリからのビデオ中継で証言したFrancois Levistreさんも、事故当日の夜、トンネル内でダイアナ元妃の車をオートバイが抜き去る際にフラッシュのような閃光を目撃している。

 Levistreさんは、トンネル内でダイアナ元妃が乗った車両の前を運転していた。このとき、バックミラーから、ダイアナ元妃の車両を一台のオートバイが抜き去るのと共に白い閃光が見え、この直後に車両は蛇行して柱に衝突したという。

 Levistreさんは通訳を介し「閃光に気付いたのは、ほとんどトンネルの出口にさしかかったところだった。後方からオートバイの音がしたので気付いたが、(閃光は)警察のレーダーだと思ったので、気に留めなかった」と証言している。(c)AFP