【10月7日 AFP】ロシア人記者アンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)さん殺害事件から7日で1年を迎え、犯人逮捕を求める国際的な圧力が高まる中、追悼集会に参加しようとした外国人活動家5人らがロシア当局により身柄を一時拘束される騒ぎが6日、首都モスクワ(Moscow)の東で起こった。

 ポリトコフスカヤさんは、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領を公然と批判し、チェチェン(Chechnya)共和国の紛争では戦争犯罪を解明しようとした数少ないロシア人記者の1人だったが、2006年10月7日モスクワの自宅前で凶弾に倒れた。

 活動家5人は、スペイン人3人と英国人およびドイツ人が各1人で、ロシア人活動家1人とともに、モスクワの東400キロの都市ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)で身柄を拘束された。

 身柄を拘束された活動家の1人で、米ニューヨーク(New York)の人権団体・Human Rights Firstに所属する英国人ニール・ヒックス(Neil Hicks)氏は、AFPの電話取材に対し、「5人の外国人は7日の追悼集会に参加するためモスクワへの移動中に立ち寄ったロシアの人権団体Society for the Promotion of Toleranceで身柄を拘束されたが、4時間半後に解放された」と述べた。

 同氏は、「全員、入国手続きに不備があったとして罰金を科せられた。法に訴えるつもりだ。大使館を通じて不服を申し立てる権利がある」と主張した。

 人権活動家や野党などは7日にポリトコフスカヤさん追悼のため、モスクワ市内での抗議集会を予定しているが、Hicks氏は今回拘束されたことについて、「当局による妨害の1つ。この集会に向けて数々の妨害を受けてきた」と話す。

 他に身柄を拘束されたのは、スペインの人権活動家3人とアムネスティ・インターナショナル(政治犯救済国際委員会Amnesty International)モスクワ支部のドイツ人、および Society for the Promotion of Toleranceのロシア人指導者1人。

 ポリトコフスカヤさん殺害事件の捜査と犯人逮捕を求める声は国際的に高まっているが、6日付けの政府系日刊紙、ロシア新聞(Rossiiskaya Gazeta)はウクライナ系犯罪組織の最高幹部(49)が事件に関係しているとして身柄が拘束されたと報じている。

 同紙は警察関係者の話として、この男性が事件の関係者としてモスクワで身柄を拘束されたとしているが、男の氏名は公表されていない。

 ポリトコフスカヤさんがかつて勤務していたノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)紙のRoman Shleinov編集長は、この報道について「まったくのでたらめ。まともな記事とは思えない」とコメントした。(c))AFP