【10月1日 AFP】中国当局は、国家政権転覆扇動罪の容疑で身柄拘束していたインターネットで活動する反体制派のフリーライターLu Gengsong(51)容疑者を正式逮捕した。1日、Lu氏の妻、Wang Xue’eさん(51)が明らかにした。

 Wangさんが浙江(Zhejiang)省杭州(Hangzhou)の自宅でAFPに語ったところによると、Wangさんは9月30日午前中に逮捕状を受け取ったという。「容疑は事実無根。省政府も市政府も、夫を黙らせたいだけ」とWangさんは夫の無実を訴えた。

 Lu容疑者は、2000年に香港(Hong Kong)で出版された『Corrupted Officials in China』をはじめ汚職事件を中心に執筆活動をしてきたが、今年8月、自宅にいるところを当局によって連行された。人権団体によると、10月に始まる共産党大会と2008年の北京五輪に備えた一斉摘発の一環だという。

 Wangさんによると、Lu容疑者は「不動産開発業者と癒着した省や市の政府関係者が関与した違法な立ち退き事件を数多く暴露した」という。

 希少化する土地の利権をめぐり開発業者と土地所有者の争いが増えており、強制立ち退きは同国でも重要な社会問題となっている。(c)AFP