【9月27日 AFP】ポルトガル南部の保養地プライアダルス(Praia da Luz)で行方不明になった英国人少女マデリン・マクカーン(Madeleine McCann)ちゃんを写したとされる写真は別人のものだったことが、26日に確認された。

 写真はスペイン人の観光客が8月31日にモロッコ北部タンジール(Tangier)の南に位置する村Zinatで撮影した。地元女性の背中に負ぶさっている肌の白い金髪の少女が写っている不鮮明なもので、英国各紙の1面を飾り、中には事件解決の糸口になると報じる紙面もあった。

 しかし、撮影地を同日訪れたジャーナリストが写真に写っていた女性と少女を見つけ、少女がマデリンちゃんとは別人だったことを確認した。

 マクカーンさん夫妻の代理人のClarence Mitchell氏は「写真の少女がマデリンちゃんではないとの報道が事実であれば、非常に残念だ」と話し、「夫妻が個々の目撃情報にコメントしないのも、わたしが昨夜心配だと言ったのも、それが理由だ」と説明した。同氏は先に、夫妻の感情が大きくかき乱されるのが心配だと語っていた。

「もちろん、マデリンちゃんの捜索は継続するし、無事に帰宅できるよう改めて協力をお願いしたい」と同氏は付け加えた。

 写真を撮影した女性は、最近の目撃情報で伝えられたマデリンちゃんの特徴が、写真に写っていた少女と一致したため、24日に警察に写真を提出することを決めたという。「特徴が似ていたため、寒気が走った」とスペインのラジオ局COPEに語っている。

■写真の少女と女性は、モロッコ人親子

 写真の少女を見つけたAFPのカメラマンによれば、少女はマデリンちゃんではなく、モロッコの少女で、おぶっていたのはその母親だった。少女は2004年10月24日生まれで、金髪の4人姉妹の末っ子。メディアから注目が集まることにおびえているという。

 少女の父親は出生証明書などの書類を提示した上で、「自分の子どもたち4人を育てるだけでも大変なのに、これ以上、しかもヨーロッパ人の子どもなんかいて欲しいわけがない」と苛立ちを示した。

 マデリンちゃんの両親はマデリンちゃんが行方不明になって以来、先頭に立って捜索を進めている。(c)AFP