【9月17日 AFP】米ソフトウェア大手マイクロソフト(Microsoft)がEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、欧州委員会(European Commission)から制裁金を科され、不服を訴えていた裁判で、欧州第1審裁判所(European Court of First InstanceCFI)は17日、欧州委の決定を支持し、同委員会がマイクロソフトに対して科した4億9700万ユーロ(約795億円)の制裁金の支払いを命じた。

 17日午前9時30分(日本時間午後4時30分)にルクセンブルクの同裁判所で下された判決では、13人の判事による特別判事団が、マイクロソフトが「独占的地位を乱用した」として欧州委の決定をほぼ全面的に支持し、同社の訴えを退けた。欧州委は「判決を歓迎する」と短い声明を発表した。

 欧州委は2004年3月、マイクロソフトがPC向けOS市場における同社製品「ウィンドウズ(Windows)」の独占的な地位を乱用し、他のソフトとの抱き合わせ販売を通じて競合他社を妨害していると指摘。同社の販売戦略は競争法違反にあたるとして、同社にメディア用ソフトを外したウィンドウズ販売や他社との技術情報共有などの是正措置と、制裁金の支払いを命じていた。

 これに対しマイクロソフト側は、欧州委裁定や制裁措置の無効、または制裁金の減額などを求め、第1審裁判所に訴えていた。

 同裁判所が欧州委を支持したことから、マイクロソフトのビジネス戦略が大きな打撃を受けるだけでなく、各国の巨大企業に対する規制に関して今後、欧州当局が立場をより強めることとなった。
 
 今回の判決を受け、マイクロソフト側がEUの最高裁判所にあたる欧州司法裁判所(European Court of Justice)に上告する可能性も高く、その場合には、最終決着までに最短でさらに1年を要することとなる。(c)AFP