【8月19日 AFP】乗客乗員140人以上が乗ったトルコのアトラスジェット(Atlas Jet)の旅客機をハイジャックし、南西部アンタルヤ(Antalya)空港に強制着陸させた男2人が18日、事件発生から5時間後に投降した。

■事件発生から解決まで

 北キプロス(northern Cyprus)発イスタンブール(Istanbul)行きのMD-83型旅客機は、午前7時15分の離陸直後に、2人の男に乗っ取られた。アトラスジェットは、事件発生直後、同機には乗客136人、乗員6人が登場していたと発表したが、後に8人の子どもを含む140人の乗客と乗員5人と訂正した。

 犯人は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーを名乗り、爆弾を所持していると主張。行き先をイランの首都テヘラン(Tehran)、もしくはトルコの南に接するシリアに変更することを要求。機長らは給油の必要性を説明し、同機は地中海沿岸のリゾートであるアンタルヤの空港に着陸した。

 着陸後、犯人が機体前方から女性と子どもを解放する間に、ほかの多くの乗客は機体後部の扉を開き、そこから飛び降りて自力脱出に成功した。脱出の際、一部の乗客が負傷した。その後、乗客数人と乗員は、数時間にわたって人質として機内に残されたが、犯人は人質解放の説得を受け入れ、自らも投降した。

■背後関係は? アルカイダとは無関係か

 首都アンカラ(Ankara)で記者会見を開いたOsman Gunes内相によると、「トルコ政府は犯人と接触し交渉を行った。交渉内容は公表することができないが、投降させることに成功した。強攻策を取らずに事件は解決した」と述べた。

 また、犯人について、「1人はMehmet Resat Ozluと名乗る27歳のトルコ国籍の男。別の1人はMommen Abdul Aziz Talikhと名乗り、25歳でシリアのパスポートを所持するがパレスチナ人とみられる」という。

 現在、犯人が所持していた爆弾だと主張するものについても、専門家が分析調査している。報道によると、犯人が爆弾だとしていたものは粘土だったといわれている。

 また、警察は犯人に事情聴取を行い、動機や組織との関連を調べている。これまでのところ犯人とアルカイダに接点は見つかっていないという。一方、アンタルヤ県のAlattin Yuksel知事は、警察当局が乗客1人を共犯容疑で拘束したが、事情聴取の後、解放したと発表。(c)AFP