【8月18日 AFP】英タイムズ(Times)紙は16日、英国人少女マデリン・マクカーン(Madeleine McCann)ちゃん(当時4)がポルトガルでの家族旅行中に行方不明となった事件で、マデリンちゃんの一家が滞在していたホテルから発見された血痕は、マデリンちゃん自身のものではないと報じた。

■「血痕」は誰のものか?

 タイムズ紙によるとこの報道は、4ページにわたる事件に関する科学分析結果に基づくものだとしている。しかし、血液検査を行っている英中部バーミンガム(Birmingham)の研究所Forensic Science Serviceの広報担当者は、「まだ捜査段階で事件に関するコメントはできない。タイムズ紙の記事には困惑している」と語っている。

 捜査を行っているポルトガル警察も、タイムズ紙の記事を否定。「血痕を検証している科学捜査斑からの報告はまだ受けておらず、分析結果の判明時期も不明だ」としている。捜査当局に近い筋からAFPが得た情報でも、血痕はまだ分析段階で、このほかにもあらゆる証拠物質について検証を行っており、分析の結果はまだ判明していないという。

■マデリンちゃん生存の可能性は

 ポルトガルの警察はまた、多数の英紙によって報じられた、「捜査当局がマデリンちゃんは行方不明となった当日の夜に死亡したと断定」との情報も否定した。しかし一方で、同警察のOlegario Sousa主任警部は11日、マデリンちゃん死亡の可能性も否定できず、すべての可能性を考慮した捜査が行われていると語っている。 

 血痕がマデリンちゃんのものでないとすれば、マデリンちゃんの両親ジェリー・マクカーン(Gerry McCann)さんとケイト(Kate McCann)さん夫妻には、娘が生存している望みがもたらされることになる。

 マデリンちゃんは5月3日、両親と休暇に来ていたポルトガル南部プライアダルス(Praia da Luz)の保養地アルガルヴェ(Algarve)で、両親が近くのレストランへ食事に出ている間に消息がわからなくなった。

 事件は国内外で高い関心を集め、ポルトガル、英国のみならずヨーロッパ全土でマデリンちゃんの捜索への協力を求めたり無事生還を願うさまざまな活動が行われて話題を呼んだ。(c)AFP