【8月7日 AFP】グルジア内務省は7日、ロシア空軍の戦闘機による南オセチア自治州(South Ossetia)への領空侵犯があったとの声明文を発表した。この声明を受け、ロシア政府は同日、領空侵犯はなかったとAFPに対して語っている。

 グルジア内務省の声明によれば、「6日午前7時30分、SU-24と見られるロシア空軍戦闘機2機がグルジア領空に侵入した。戦闘機は、北部のカズベク(Kazbegi)からゴリ(Gori)に南下。Tsitelubani村周辺にロケット爆弾を投下した」という。ゴリは、南オセチア自治州の州都ツヒンバリ(Tskhinvali)南方約30キロに位置する。

 グルジア当局によれば、その後の調べにより、投下された爆弾も発見されている。内務省報道官はAFPに対し、「すでに爆弾1個を発見しているが、さらに見つかる可能性もある。現場周辺は現在、封鎖されており、調査を続行している」と語った。

 イワネ・メラビシビリ(Ivane Merabishvili)内相も6日夜の国内テレビ番組内で、ロシア空軍戦闘機による領空侵犯と爆弾投下をレーダーがとらえた、と語っていた。

 当局によれば、この爆弾投下による被害者の有無は現時点で確認されていない。ロシアのタス通信(ITAR-TASS)が報じたグルジア内務省報道官のコメントによれば、投下された爆弾は爆破しなかったもよう。

 一方、ロシア政府報道官はAFPとの電話インタビューの中で、「(グルジア領空侵犯には)一切関与していないと断言できる。グルジア政府の声明は事実無根だ」と語り、これを否定した。

 ロシアのインタファクス通信(Interfax)も空軍関係者のコメントとして、「ロシア空軍機はグルジア領空に侵入していない」と報じている。

 南オセチア自治州は、親ロシアの分離独立派が多数を占める地域で、ロシアとの領土問題がかねてから取りざたされている。(c)AFP