【8月4日 AFP】イラクで2006年に起こった米兵によるイラク民間人殺害事件で、米国カリフォルニア州のペンドルトン海兵隊基地(Camp Pendleton)の米軍法会議は3日、海兵隊軍曹のLawrence Hutchins被告(23)に対し、禁固15年、軍曹から兵卒への降格処分、不名誉除隊を言い渡した。この事件で罪に問われた8人の中で最も重い量刑となった。

 ハチンス被告は、2006年4月26日にイラク中部のハムダニヤ(Hamdaniya)でイラク民間人のハシム・イブラヒム・アワド(Hashem Ibrahim Awad)氏(当時52)を殺害したとして、前日に過失致死と殺人共謀罪で有罪評決を受けていた。

 事件をめぐっては1日にも、Marshall Maginalda伍長に対し、殺人共謀罪などの罪で降格処分と448日の禁固判決が下っている。Maginalda伍長は刑期に未決勾留日数が算入され公判終了後に釈放された。

 今週初めに行われたHutchins被告の最終尋問で検察側は、銃弾が撃ち込まれたアワド氏の遺体の写真を陪審団に示し、この殺人事件で被告の果たした役割の重大さを考慮するよう求めた。

 一方、弁護側は、検視解剖やDNA解析が行われなかったことを指摘し、Hutchins被告の犯行を決定づける科学的根拠が不十分だと反論。また、事件当初Hutchins被告はPTSD(心的外傷後ストレス障害)だったと、公判開始直後から主張していた。

 Hutchins、Maginald両被告の量刑が決定したことで、アワド氏殺害に関与した8人全員の判決が終了した。(c)AFP