【8月2日 AFP】米軍法会議陪審は1日、イラクで2006年に起きた米兵によるイラク民間人男性の殺害事件で訴追されていた米海兵隊伍長Marshall Magincalda被告に対し、共同謀議、窃盗などの罪で有罪の評決を下した。

 軍法会議が設置された米ロサンゼルス南部のペンドルトン海兵隊基地(Camp Pendleton)の広報センターが明らかにした。

 同広報センターによると、Magincalda被告は窃盗、家宅侵入、殺人罪および誘拐、窃盗、司法妨害、公文書偽造、家宅侵入の共同謀議の罪で査問委員会に送致されていたが、殺人、誘拐、公文書偽造については無罪と認定された。

 事件は、2006年4月26日にバグダッド(Baghdad)南部のハムダニヤ(Hamdania)近郊で、イラク民間人のハシム・イブラヒム・アワド(Hashim Ibrahim Awad)さん(当時52)を、米海兵隊員らが自宅から引きずり出し、射殺した後、アワドさんが道路脇に仕掛け爆弾を埋めようとした工作員であるかのように偽装工作を図ったとされる。

 同被告に対する判決は2日に下される見通しだが、殺人罪では無罪と認定されたことで、最高刑の終身刑判決を受ける可能性はなくなった。

 アワドさん殺害に関しては、Magincalda被告を含め8人が訴追されており、海兵隊員4人と海軍医1人は殺害への関与について、すでに有罪を認めている。(c)AFP