【7月19日 AFP】北京(Beijing)市内の露店で段ボールを具材に混ぜた肉まんが売られていた事件で、この報道は地元テレビ局によるやらせだったことが明らかになった。19日、国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 前週、北京テレビ(Beijing TV StationBTV)が放送した「偽装肉まん報道」は、有害な中国産食品の新たな例として内外の注目を集めた。

 しかし新華社通信によると、報道は同テレビの臨時雇用局員によるやらせで、同局員は現在、警察に身柄を拘束されているという。

 問題となった「偽装肉まん暴露」報道では、露店の店主が細かく裁断した段ボールを工業用化学物質で溶かして柔らかくし、脂肪分の多い豚ひき肉と混ぜ合わせて肉まんの具材に使用する映像が流れた。
 
 しかし、その後の調査で、この映像は同局のプロデューサーが出稼ぎ労働者に偽装肉まんを作らせ、その様子を撮影したものだったことが明らかになった。このプロデューサーは、肉まん製造の全行程を撮影した後で、スクープとして放送されるよう映像を巧妙に編集したという。

 北京テレビは、偽造発覚をうけ「プロデューサーの偽造を事前に見抜けず、虚偽報道で社会に深刻な懸念を引き起こした」と謝罪した。

 最近でも、汚染された魚介類、疫病に感染したブタ、有毒物質入り練り歯磨きなどの中国製品が相次いで見つかっているが、これらは氷山の一角に過ぎないとみられている。

 一方、前日には、国家品質監督検験検疫総局(General Administration of Quality Supervision, Inspection and QuarantineAQSIQ)の李長江(Li Changjiang)局長が、「中国産食品の安全性問題を扱った報道内容は誇張されている」として外国メディアを非難している。

 また、因果関係が立証されていないにもかかわらず、米国で起きたある交通死亡事故の原因は中国製タイヤにあると報じたとして、米国メディアに苦言を呈した。

 中国政府は同国製品の安全性に問題があることを認めているが、中国の食品・医薬品業界は無秩序で腐敗していると一方的に報道する外国メディアを「無責任だ」として非難している。(c)AFP