【7月19日 AFP】中国・四川省(Sichuan)の甘孜(Ganzi)チベット族自治州で13日、漢方薬に使われる「冬虫夏草」の採集をめぐり、隣接する2つの村の住民が衝突、6人が死亡、100人以上が負傷した。政府当局および人権保護団体が17日、明らかにした。

 香港に拠点を構える「中国人権民主化運動情報センター(Information Centre of Human Rights and Democracy)」によると、トウ坡郷(Dengpo)の住民が半自動小銃や手投げ弾で襲撃、桑堆郷(Sangdu)の住民6人が死亡、110人が負傷したという。

 同センターはまた、自分たちの土地でトウ坡郷の住民が冬虫夏草を採集しているとして、桑堆郷の住民は役場に苦情を言いに行ったばかりだったと明らかにした。

 事件後、警察官1000人以上がトウ坡郷を取り囲み、実行犯の捜索にあたっているという。銃や手りゅう弾などの所持は中国では重大な犯罪となる。

 甘孜チベット族自治州の広報担当者はAFPの電話取材に対し「2つの村の間で衝突があったが、そのことについて公言するのは許されていない」と語った。同州の警察当局もコメントを控えている。

 冬虫夏草は中国伝統の高価な漢方薬の1種で、この地域の主要産業となっている。かいようの治療や免疫を高める効果があるとされ、中国のスポーツ選手が競技後の疲れを取るために使用していることでよく知られている。(c)AFP