【7月16日 AFP】米ロサンゼルスのローマ・カトリック大司教区は14日、多数の司祭らが数十年にわたり信者の子どもたちを性的虐待していた事実を認め、総額6億6000万ドル(約805億円)の支払いで被害者らと和解した。

 ただ、被害者らの心の傷が補償で癒されることはない。原告団の1人、スティーブン・サンチェス(Steven Sanchez)さん(47)は、「たとえ1万ドルをもらっても(性的虐待を受ける前の)10歳に戻ることはできない。いくらお金を積まれても、われわれの悲劇の代償にはならない」と述べた。

 一方、性的虐待被害者を支援する団体SNAP(Survivors Network of those Abused by Priests)のリーダー、バーバラ・ブレイン(Barbara Blaine)さんは、「補償金で被害者の幼年時代を取り戻せるわけではないが、非常につらい過去に1つの区切りをつけることはできる。その点で(和解は)喜ばしいニュースだ」とコメントした。

 かつて教会を訴えた結果、和解どころか「心理テスト」を強要されたと主張する被害者のアントニー・アルメイダ(Antony Almeida)さん(44)は、「これで少しは心が休まるだろう。事件のことは忘れて前に進みたい」と語った。(c)AFP