【6月14日 AFP】米下院は13日、銃の所有に関する規制を強化する新法案を可決した。

 犯罪歴や精神疾患の病歴のある人物の情報を、銃購入の際の身元確認に使われる連邦政府のデータベースに提供した州に、政府が報奨金を支払うという内容。バージニア工科大学(Virginia Tech)で4月16日に学生ら32人が殺害された銃乱射事件をきっかけに、民主党が草稿を作成した。

 法制化には上院の承認後、大統領の署名が必要だ。成立すれば、1994年以来13年ぶりの銃規制強化となる。

 銃規制に反対する有力なロビー団体で、議会多数派の民主党と対立することの多い全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)も、同法案を支持している。

 起草者の1人で下院エネルギー・商業委員会のジョン・ディンゲル(John Dingell)委員長は、バージニア工科大の事件で、「データベースに登録されている情報の拡充、技術革新、より明確な基準の設定が必要なことがはっきりした」と述べた。

 また、上院で同法案提出を担当するチャールズ・シューマー(Charles Schumer)議員は、「この法案は、精神疾患の病歴がある人物が銃を購入できないようにすることで、学校内や路上で無意味に人命が失われるような事件を防ぐまたとない機会だ」と語った。

 一方、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、「法案に注目している。上院とともに法整備に取り組むのを楽しみにしている」と話した。(c)AFP