【6月10日 AFP】ロンドン(London)北西部のブレント治安判事裁判所(Brent Magistrates Court)は8日、2006年10月に逮捕された人気デュオ「ワム!(Wham!)」の元メンバーで歌手のジョージ・マイケル(George Michael、本名:Georgios Kyriacos Panayiotou、43)被告に、薬物服用後に運転に適さない状態で乗車した罪に対し「運転免許停止2年と奉仕作業100時間」の判決を言い渡した。奉仕活動は、来月から12か月間で行われる予定。マイケル被告は容疑を認めている。

 マイケル被告が判決を受けたのは、25回のライブを行う欧州ツアー開幕の前日。9万人収容に再建設されたのロンドンのウェンブリースタジアム(Wembley stadium)での初のコンサートは、9日から2晩にわたり開催される。

 裁判所から出てきたマイケル被告は記者団に笑顔で、「疲労と処方薬の服用により運転に不適切な状態のまま乗車したことで、有罪判決となった。責任は十分に感じている」と語った。さらに、「とにかくこの件が落着して嬉しい。人生最大のショーに集中できるから」とコンサートに対する意欲も覗かせた。

 マイケル被告は2006年10月1日未明、ロンドンの路上に止めた車の中でうなだれ、交通を遮断していたところを通報された。その際、運転に適さない状態での乗車および、大麻と思われる薬物所持の容疑で逮捕。同被告は薬物所持が判明する前に病院に運ばれている。

 マイケル被告は、1980年代に「ワム!」のメンバーとして世界で8500万枚の売上を記録。ソロに転向後も、世界的なヒットを生みだした。その一方で1998年には、米国カリフォルニア(California)州の公衆トイレでわいせつ行為を働いた容疑で逮捕。この一件で、同性愛者であることが知られるようになった。

 5月に行われたITVとのインタビューでマイケル被告は、処方薬中毒だったことを認めている。しかし、「男あさり」で見知らぬ男性との性行為に及び逮捕されたことで悪評が立てられることより、自身の性生活のほうが重要だと語った。

 さらに、マイケル被告は近年の一連の問題行動を、1997年の母親の死による「自己破壊的傾向」と位置づけた。2006年10月の事件については、「処方薬に依存していた。副作用があり、際限なく薬を摂取したからだ」と説明。

 2006年7月、マイケル被告はロンドンの人目に着く場所で性交相手を探している様子を報道された。この件について、「紙面を騒がせることは悪いことではない。僕がしているセックスは新聞に載る価値がある」と自己弁護している。

 しかし、同被告は、自身の行動に対するメディアの取り扱いを受け、イギリスを去ることを考えているという。
 「こうした報道に対する人々の反応を見て、人生で初めて、本気でここに住むべきではないと考えるようになった」(c)AFP