【6月9日 AFP】人権侵害や汚職などにかかわった容疑でペルーで訴追され、チリに滞在中のアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元ペルー大統領は8日、チリ最高裁によるペルーへの身柄引渡しの判決に先立ち、自宅軟禁命令が言い渡された。同最高裁が明らかにした。

 チリ最高裁によると、この命令は同日先刻、ペルー政府の弁護団によって求められたものだという。前日チリ最高裁の検事はフジモリ元大統領のペルーへの身柄引き渡しについて勧告を行っている。

 フジモリ元大統領は1990年から2000年までの大統領在任中に10件の汚職と2件の人権侵害にかかわった容疑で訴追されているが、ペルー政府弁護団は同元大統領に対する容疑の「重大性」を訴えた。

 最も重大とされているのは、1992年にカントゥータ大学(Cantuta University)で国軍による大量殺人で学生9人が死亡した事件、および1991年にリマ(Lima)近郊のバリオスアルトス(Barrios Altos)で軍特殊部隊よって15人が殺害されたとされる事件で、これらについて大統領としての責任が追及されている。(c)AFP