【6月7日 AFP】サンピエトロ広場（St Peter’s Square）で6日、週次の一般謁見に臨むローマ法王ベネディクト16世（Benedict XVI）が乗るの車両に男が飛び乗ろうとする事件が発生した。男は乗り込む直前にボディーガードによって取り押さえられている。

　男（27）はドイツ国籍で、「精神的に不安定」な状態だとされ、バチカンの広報局長フェデリコ・ロンバルディ（Federico Lombardi）神父が報道陣に語ったところによると、その男は「（法王を）殺害しようとしたのではなく、注目されたかっただけ」だという。男についてロンバルディ神父は、裁判官による尋問と医療施設での検査を受けた結果、精神科病棟「特別保護施設」への収容が決まったことを明らかにした。

　事件発生時、法王は一般謁見のため巡礼者約3万人が集まったサンピエトロ広場を車両に乗って移動し始めたところだった。法王は運転手の後ろに立っていたが事件には気づいていなかったようすで、巡礼者に対し手を振り続けていた。

　事件は大事には至るものとはならなかったが、法王ベネディクト16世にとって、2006年4月の就任以来、初めて身の安全が脅かされる事件となった。

　サンピエトロ広場では、1981年5月13日にも前法王ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂事件が起きている。

　同事件では、一般謁見後広場を後にしようとした前法王に、トルコ人のメフメト・アリ・アグカ（Mehmet ali Agca）受刑者が発砲、前法王は重傷を負っている。(c)AFP