【5月30日 AFP】昨年8月、山形県鶴岡市にある自民党元幹事長、加藤紘一衆議院議員の実家兼事務所が放火され全焼した事件で、山形地方裁判所は31日、放火などの罪に問われていた右翼団体構成員の堀米正廣被告(66)に、懲役8年の判決を言い渡した。

 共同通信の報道によると、山形地裁の金子武裁判長は「危険な思想で、言論の自由を保障する民主主義に対する露骨な挑戦で、無法かつ卑劣な行為」と述べた。一方、弁護側は「靖国参拝を妨げる者に公憤を抱いていた」とし、無罪を主張していた。

 被告は昨年、小泉純一郎前首相の靖国神社参拝を批判した加藤氏の記事を読み、加藤氏の家族らが住む実家へ放火し、逮捕された。

 前首相の靖国参拝について加藤氏は、「中国や韓国など近隣アジア諸国との関係を悪化させる」として中止するよう警告していた。

 放火事件は、小泉前首相が靖国神社を参拝した数時間後に発生。放火された加藤氏の実家には加藤氏の母親が住んでいたが、事件当時は外出中だった。
 
 加藤邸を放火した後、堀米被告は「切腹」を試みたとし、負傷して発見されたために病院へ搬送された。第2次世界大戦中の日本軍の戦死者がまつられている靖国神社には、国粋主義を掲げる右翼団体らによる参拝も多い。(c)AFP