【ワシントンD.C. 5日 AFP】ワシントンの政界、軍上層部、企業重役などを相手に13年にわたり高級売春クラブを経営した容疑に問われている通称「DCマダム(DC Madam)」が、まもなく放映のテレビインタビューの中で顧客人物リストを公表する可能性があるため「関係者」は戦々恐々としている。米ABCニュースが現地時間4日の夜、このインタビューを放映する。

■インタビューの一部公表

 問題の人物デボラ・ジーン・パルフリー(Deborah Jeane Palfrey)被告のインタビューの一部はすでに公表されている。「従業員に年齢制限はなく50代を過ぎた女性でも雇った」とインタビューで語る被告は、「50代の女性は特に人気が高かった」と述べている。

 しかし売春クラブ経営の容疑は否認、クラブ「パメラ・マーチン・アンド・アソーシエイツ(Pamela Martin & Associates)」は「性的ファンタジー」を提供することを目的に運営し、学生、キャリアウーマンなどが副業として週3回ほど勤めていたと語っている。

■売春婦に仕立て上げる手口?

 さらに従業員との間で「違法なセックス」をしないことを定めた契約書を取り交わしていたとも主張。しかし新たに雇う可能性のある新人を「知己の顧客」の許に派遣していたことは認めた。

 被告を恐喝や資金洗浄容疑で起訴している検察側は「知己の顧客」が女性たちを売春婦に仕立て上げる役割を担っていたと見ている。

■すでに政府高官に犠牲者

 被告は保有している顧客1万人分のリストが公表されれば面目を失する政府高官なども出てくると予告。それを裏付けるかのように、前週、米国際開発局(USAID)のランダル・トバイアス(Randall Tobias)局長が「個人的な理由」から突然辞任。ABCニュースがトバイアス氏に被告のサービスの顧客だったかどうかを問い合わせた直後のことだった。

■顧客電話記録公表を予告

 パルフリー被告は4月30日、トバイアス氏が顧客だった事実を公表。「本人と家族、友人には申し訳ないと思っている」と出廷した裁判所前で記者団に語ったが、重量にして21キロにおよぶ顧客電話記録の膨大なコピーを、自分への起訴が取り下げられない限り公表する意志も明らかにしている。またジャーナリストに顧客の詳細を調査するよう要請、「無実を証明するために裁判の証人にしたい」と語った。

 写真はワシントンD.C.で30日、予備審問後の記者会見に臨むパルフリー被告。(c)AFP/Getty Images Mark Wilson