【東京 1日 AFP】 番組内で手品の種明かしをされたとして、日本のマジシャン49人が日本テレビとテレビ朝日に197万円の賠償金の支払いと謝罪を求める訴えを起こした。

■発端は硬貨の違法加工の報道

 2つのテレビ局は、昨年12月に手品師とパブ経営者が手品用の穴を硬貨に開け、逮捕された際、この事件を報道(硬貨の加工は法律で禁じられている)。同時に日本テレビは煙草が硬貨を貫通したかのように見える手品を、テレビ朝日は他の硬貨を使った手品の種明かしをそれぞれ放送した。

■手品の種は『財産』

 「2つのテレビ局は、手品の種明かしまでする必要はなく、貴重な秘密を暴いてしまった。そして暴かれた秘密は、私たちマジシャンにとっては財産だった」と原告のマジシャン達は語った。

 原告の1人であり、プロマジシャンの藤山新太郎さんは、「プロの商売道具として、硬貨を使った手品を開発するのに何年もかかったんだ。テレビ局は種明かしをしたことによって、いかに私たちの注いだ時間が無駄になったかをしるべきだ」と語った。

 日本テレビは今回の件に関してコメントを控えており、テレビ朝日はニュース報道の内容に問題はなかったとしている。

写真は2006年2月21日、米国・ラスベガスにて撮影。トランプマジックをするコメディマジシャンのマック・キング(Mac King)。(c)AFP/Getty Images Ethan Miller