【東京 20日 AFP】20日、都内の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の前で、男がナタで自分の左腕を切りつけ、逮捕された。

 時事通信によると、逮捕されたのは元右翼団体構成員の西川幸一容疑者(55)で、車で現場に乗りつけたという。車内には、安倍晋三首相にあてて、「一刻も早く拉致された日本人を救ってください」などと書かれた手紙があったとしている。

 警視庁は事件に関するコメントを避けたが、朝鮮総連は事実関係を認めた。朝鮮総連によると、男は以前にも国会議事堂前で同様の抗議を行い、北朝鮮への経済制裁強化などを求める抗議文を手に、左手首を切ったことがあるという。

 今回の事件を受けて朝鮮総連は、「事件は朝鮮総連と在日朝鮮人に対する敵意に満ちたテロだ」とする声明を発表した。「事件の背景には、日本が北朝鮮を敵視し、朝鮮総連と在日朝鮮人を制裁の対象とみなすとともに、外国人嫌悪と人種差別を助長している」と述べている。

 安倍政権は前年10月の北朝鮮の核実験を受けて、日本独自の制裁措置を発動している。

 写真は、朝鮮総連中央本部前で北朝鮮の核実験に抗議する右翼団体の構成員ら。(2006年10月9日撮影)(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO