【マイアミ/米国 5日 AFP】スペースシャトル・ディスカバリー号(Space Shuttle Discovery)の搭乗員だった宇宙飛行士、リサ・ノワック(Lisa Nowak)容疑者(43)が5日、恋敵の女性にコショウスプレーを吹きかけ誘拐しようとした疑いで逮捕された。

 地元紙「オーランド・センチネル(Orlando Sentinel)」のウェブサイト上に掲載された供述書によると、ノワック容疑者は5日早朝、オーランド国際空港(Orlando International Airport)の駐車場でコリーン・シップマン(Colleen Shipman)さんの車に押し入り、シッパマンさんの目にコショウスプレーを吹きかけた。同容疑者は同僚の宇宙飛行士、ウィリアム・オーフェリン(William Oefelein)さん(41)とシップマンさんとの仲を疑っていたという。同容疑者はカツラとコートで変装していた。

 同紙によると、ノワック容疑者はシップマンさんと「対決」するため、1600キロ離れたテキサスから車で12時間以上かけてオーランド空港までやってきたという。

■ 車の中から金づちやナイフも

 警察はノワック容疑者のバッグと車内から、コショウスプレー缶、金づち、折りたたみ式ナイフ、ゴム管、現金600ドル(約7万2000円)とカツラを押収した。このほか車内からは、「シップマンさんがオーフェリンさんへの気持ちをつづっている」と容疑者が主張するEメールや手紙も発見された。

 警察の調べに対しノワック容疑者は、シップマンさんを「怖がらせて」オーフェリンさんとの仲を問いただすことが目的で、危害を加える意思はなかったと供述しているが、「誘拐未遂」「暴行」「車内侵入」「証拠隠滅」などの罪で起訴された。「被害者の安全が確保できない」として、保釈が見送られたため、現在も警察の拘束下にある。
 
 ノワック容疑者は、1987年に海軍の飛行准尉に就いており、1996年から2年間、テキサス州ヒューストン(Houston)の米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)で宇宙飛行士としての訓練を受けた後、管制センターで国際宇宙センター(International Space Station)との交信を担当した。2006年7月には自身がスペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗し、宇宙ミッションに参加している。

 一方、1990年に海軍飛行士となったオーフェリンさんは、1998年にNASAの宇宙飛行員に抜擢され2年間の訓練を受けた後、2006年12月にディスカバリー号のミッションにパイロットとして参加した。

 写真は、飛行服姿のリサ・ノワック容疑者(撮影日不明)。(c)AFP/NASA

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