【9月2日 AFP】(写真追加)原子力規制委員会の田中俊一(Shunichi Tanaka)委員長は2日、日本外国特派員協会(Foreign Correspondents' Club of JapanFCCJ)で記者会見し、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所からの汚染水流出問題について、最終的には海洋放出以外に方法はないとの考えを示した。

 田中委員長は、事故を起こした福島第1原発の施設内に無期限に汚染水を貯蔵しておくことは不可能だと説明した上で、汚染水から放射性物質をできる限り除去し、国際基準で安全とされるレベルまで放射能濃度を下げた後、海洋に放出することは避けられないと述べた。

 また、福島第1の状況は日々刻々と変化しており、さまざまなリスクが起こり得ると警告。事故の収束には程遠いとの見方を示した。

 東電は先月31日、福島第1の汚染水用タンク近くで、最大毎時1800ミリシーベルトの極めて高い放射線量を計測したと発表。人間が4時間浴び続けると死亡するとされる線量で、8月22日に同じ場所で計測・公表されていた汚染水の放射線量の約18倍の値となった。

 田中委員長は汚染水をめぐる東電の対応を批判し、規制委が厳しく指導する必要があると述べた。(c)AFP/Shingo ITO