【9月1日 AFP】東京電力 (TEPCO)は31日、福島第1原子力発電所の汚染水用タンク近くで、人間が4時間浴び続けると死亡するとされる最高毎時1800ミリシーベルトの極めて高い放射線量を新たに確認したと発表した。

 共同通信(Kyodo News)と時事通信(Jiji Press)が報じた東京電力の発表によると、タンク近くの4か所で高い放射線量が確認されたものの、明らかなタンクの水位低下はないという。

 東京電力は先月20日、約1000基あるタンクのうちの1つから汚染水300トンが漏れていたことを発表し、この汚染水が海に流出したのではないかとの懸念が高まっていた。これに続く28日、原子力規制委員会は、この汚染水漏れを国際原子力事象評価尺度(INES)での評価のレベル3(重大な異常事象)とすることを決定し、2011年3月11日に発生した地震による津波で原子炉3基がメルトダウンを起こして以後、最悪の事故となった。

 共同通信によると、今回の高い放射線量は、31日に行ったタンク3基とそれらのタンクとプラントをつなぐ配管の日常的な点検で確認された。高い放射線量がさらなる汚染水漏れが起きていることを意味しているかどうかは明らかになっていないが、配管下の水漏れ跡では毎時230ミリシーベルトが観測されたという。

 東京電力は、先月20日に汚染水漏れを確認した際に、汚染水の放射線量を毎時100ミリシーベルト程度と発表していた。

 時事通信によると、今回タンクの1つで確認された最大毎時1800ミリシーベルトの放射線量は、人間が4時間浴び続けると死亡するレベルだという。また、他の3か所は70~230ミリシーベルトが観測されているという。(c)AFP