【8月18日 AFP】フィリピン中部セブ(Cebu)の沖合で16日夜に起きたフェリーと貨物船の衝突事故で、沿岸警備隊は17日の時点で31人が死亡、629人が救助されたと発表した。救助隊は、行方不明者171人の捜索に当たっているが、天候悪化のため捜索は難航している。

 当局によると、乗客乗員831人を乗せたフェリー「トマス・アクィナス(Thomas Aquinas)号」は16日夜、フィリピン第2の都市セブの港に近い難所で貨物船と衝突し、沈没した。

 沿岸警備隊と軍、および地元の漁師らが16日夜から17日朝にかけて船で懸命に捜索を行い629人が救助されたが、17日午後に天候が悪化したため、当局は行方不明者171人の捜索を中断した。

 海軍の報道官、グレゴリー・ファビック(Gregory Fabic)少佐はAFPに対し、「豪雨と強風で海が荒れている。先ほどダイバーらが死者や船内に閉じ込められた人がいないか確認するため沈没したフェリーを捜索しようとしたが、潮の流れが激しすぎて断念せざるを得なかった」と語った。救助隊は、今も海で漂流している生存者がいるとみて希望を失っていないという。

 しかし、沿岸警備隊副司令官のルイス・トゥアソン(Luis Tuason)少将は、死者数は、今後増加する可能性が高いと話し、フェリーが短時間で沈没していることから、船内に取り残された人がいる可能性が高いと指摘した。フェリーは、貨物船との衝突後10分足らずで沈没したという。(c)AFP/Cecil MORELLA