【8月2日 AFP】インド東部ビハール(Bihar)州サラン(Saran)地区の村立学校で1日、汚染されたとみられる水を飲んだ生徒十数人が体調を崩し、病院に搬送された。病院関係者が明らかにした。

 生徒たちは校内の手押し式のポンプでくんだ水を飲んだ後、気分が悪くなり、州都パトナ(Patna)の病院に搬送された。生徒たちの容体は安定しているという。

 子どもたちの年齢は明らかになっていないが、11~14歳程が通う学校の生徒だという。

 ビハール州では先月、毒物が混入した給食を食べた小学校の生徒23人が死亡する事件が起きたばかりで、ニティーシュ・クマール(Nitish Kumar)州首相は今回の事件についても「ポンプ内に毒物が入れられたとの複数の情報がある」として、警察に捜査を命じた。

 同州の小学校で7月に起きた事件では、無料で提供される給食を食べた子どもたちが体調を崩し、23人が死亡した。給食の調理に使われた油には、市販品の5倍の濃度の殺虫剤が含まれていたことが分かり、警察は容疑者として小学校の校長を逮捕した。事件は児童の両親や地元住民の間に強い怒りを巻き起こしている。

 無料の給食は現在、インド国内で約1億2000万人の生徒に提供されており、世界最大規模の給食プログラムといえる。また、子どもたちの半数近くが栄養不良状態にあるインドで、無料の給食は教育関係者たちの間で登校率を上げるのによい方法だとみられている。だが衛生状態の悪い調理場で調理された給食を食べて、生徒が食中毒になることも少なくない。

 ビハール州は、インドで最も貧しい州の1つで人口密度は最も高い。同州では1日で唯一の食事が学校給食という子供たちも多い。

 だが、7月に給食に殺虫剤が入れられた事件よって、それ以後、子どもたちが怖がって食べ物を食べたがらないという。さらに教師側も、食事の質が劣悪だと責められるため、給食の支給を拒否している。(c)AFP